LOVE☆合コン
3日目
〜ニンニン〜

今日は最終日。
何のためにはるばる名古屋くんだりまできたかわからないこの旅を有意義なものにするためにも、失敗は許されない。
どうするか?

名古屋は交通の便が至極良いという。
車で北へ行けば下呂温泉、飛騨高山、白川郷等、西へ行けば伊勢、松坂、熊野等、東へ行けば浜松など、とにかく名古屋自体には何もないものの、周辺は充実している。
そんな中、我々は一つの答えを出した。

忍者になりたい。

そう、甲賀忍術村が車で1時間ちょっとの距離にあるというではないか!
男3人で行くには、ここ以上の観光スポットはないであろう。
行くしかない。

現代の旅先道案内人は、もはやヨネスケではない。
カーナビという、人工衛星による確実で心強い道案内機能を最大限に活かして、我々はあくまでスマートに忍者村へと車を飛ばす。

しかし、ここに罠があった。。。
キーワード検索で忍者村と入れたところ、複数候補が表示され、テンションが上がりきっていた我々は迷わず一番上に表示された忍者村を疑うことなく目的地設定してしまったではないか。
車で走ること1時間、甲賀に着いたにもかかわらず、カーナビは後3時間程かかるとほざいている。
おかしい。
よくよく見てみると、忍者村という飲食店が京都にあるとのこと。
しかももう一つの忍者村を見てると、やはり京都にシャブシャブ店があるとのこと。
あやうく京都で飯を食うハメになりそうだった我々は、しっかり集中して目的地を設定し、晴れて甲賀の忍術村に到着。

そこに広がっているのは、悲惨な光景だった。
忍術村では、忍者の修行がアトラクションとなっているのだが、そのアトラクションの7割は崩壊、ないし機能不全になっているではないか。
お子様用に作られたゲームコーナーも、電源切られてから久しいのか、見るも無残な姿に成り果て、完全にバブル時代の遺構だと偲ばせる。
そんな中、2つのアトラクションはまともで本当に楽しかった。
『忍者屋敷』
落とし穴やカラクリ扉、隠し梯子や吊り天井等、あらゆる本物の仕掛けがあった。
そしてその仕掛けを説明してくれるのは、かの有名なくノ一。
男三人どうしていいかわからず、ひたすらくノ一の手裏剣にやられちゃいたいと願望しつつも、本格的な説明に大満足。
この屋敷だけでも行く甲斐はあるのではないか。

『手裏剣』
本物(と思われる)手裏剣を実際に的に向かって投げられる場があった。
これは、おそらく彼女といっても全く楽しくないであろう。
男同士、ないし団体で競ってこそ、大げさなほど燃え上がるアトラクションである。
勿論掛け声は、「ニンニン!」である。
馬鹿にしていると解釈されてしまう可能性があるが、これほどその場にあった掛け声はないだろう。

ちなみにもう一つ、水遁の術を体験できる場所があったが、あんな濁りの上で水蜘蛛をし、水中に潜って水遁など出来るわけが無い。
さすがのTもやらなかった。

そんな忍術村から名古屋への帰り道には、途中鈴鹿サーキットがある。
その日はちょうどジャパングランプリかなんかが行われていて、我々が着いた頃は表彰式が行われていた。
普段レースの無い日ならゴーカートで本物のコースをたった1200円で走れるらしい。
絶対にまた来たい、との思いを胸に温泉へと向かう。

温泉は、万博のサテライト会場である長久手温泉『ござらっせ』をチョイスした。
最終新幹線の関係上700円を払ってたった30分もいなかったが、非常にきれいで気持ちのいい場所だった。
万博へ行かれる諸氏は是非寄られたい。

慌しく荷造りを済ませ、いよいよ旅を総括すべく『世界の やまちゃん』という名古屋が誇る飲み屋へ向かう。
そこの手羽先はジューシーかつ皮はパリパリで、絶品とのこと。
朝飯を食って以来何も腹に入れていない我々はビールいっぱいで完全に酔い、またおいしい手羽先、串かつに舌鼓を打つ。
気分も良くなり、いざ、最終新幹線へ。

そんな流れのはずだった。
自称うさぎの8倍寂しがりやの純次が、飲み屋でひたすらにこう喚く。
「今日泊まっていけよ!」
明日朝9時から仕事だというTは、その誘惑を拒み続ける。
しかし、Tは何と言っても酒が弱い。
酔い、純次の軽い説得に、頭だけでなく心もぐらつく。
小生は翌日何もないため、むしろネタのためにもあえて無言を貫き、Tの判断に委ねる。

T「よし、純次の家で飲み直すか!」

まさかの結末である。
本来なら夜行バスで名古屋入りし、純次の家には1泊のみを予定していたのだが、
夜行バスが予約できずに一泊増え、そしてその場のノリでもう1泊。
3泊4日の旅になっちまった。

Tが決意した頃には、既に最終の新幹線は無く、もはや自暴自棄ながら純次家アゲイン。
ベロベロだったTはすぐに眠りこけた。

しかし。。。
純次が昨日の飲み会で可愛かった子の番号を聞き、電話をかけると、Tはむっくりと起き出す。
あんなにつらそうに眠っていたのに、目は輝き、完全に戦闘モードに入っているではないか!
これには驚きを隠せない純次と小生。

しかも!
映画監督ネタが効くと学習したTは、電話を純次から掻っ攫うなり取材していいかな、と業界人攻勢に出るではないか!
これには脱帽した。
東京に本拠地を置きつつも、名古屋嬢を遠隔操作する気満々である。
とすったもんだがありつつも、何とか丸くおさめ電話自体は終了。

しかしこの電話で完全に血が高揚してしまったTは、翌日朝6時起きだというのに眠れず、4時まで起きていた。
言うまでもなく大寝坊し、午前の仕事を休むという社会人失格の行動を見せつけたのであった。

こんな感じで、一体何をしに名古屋まで行ったのか、名古屋で何を得たのか、誰も何も分からぬまま、名古屋旅行は幕を閉じるのであった。


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