LOVE☆合コン
2日目
〜デメキン、メダカ、デカパン〜

戦まで、時間があった。
当初万博で地球愛を学んでから、その学んだ知識を自らの知恵として戦に活かし、愛という感情を通して人類の神秘というボディー・アタックをもくろんでいた我々は、
戦の開始時間を20時半に設定していた。
そして万博に行かなかった我々は、完全に暇を持て余した。

どうするか?
昼に起床してからひたすら途方に暮れ続けること5、6時間。
現在名古屋に起居している純次の顔が、怪しい自信に満ちる。
「あそこ行こう。あそこは絶対行くべきだ。19時までならたった2000円だし。絶対に一生忘れられない思い出になるから。」

惨劇は、開幕した。

目標の出来た男達はまるで天翔けるような足取りで名古屋唯一の繁華街、栄に繰り出す。
「お前ら、絶対忘れられない思い出になる。」
言葉を覚えたての幼児のように、ひたすらにこのセリフを繰り返す純次。
若輩ながら、ちょっとやそっとじゃビビらないぜ、そんな闘志を胸に秘め、純次についてくTと小生。

『キャバレー 花園』

何十年前の開店以来一度も掃除していないのではないかと思われる黒ずんだ蛍光灯の看板に映し出されたセンスの欠片もない文字を見た瞬間、心拍数は200を超え、不安と好奇の入り混じったなんともいえない高揚感を覚える。
キャバレー ―それはまさに日本の輝ける高度経済成長期の裏舞台を一身に支え、あらゆる戦士達が束の間の休息を楽しみ、癒され、笑い、ちょっぴり破廉恥に興奮する、最上の心的満足を得ることのできる空間−。
まさにキャバクラの元祖であるその存在に畏怖すら感じつつ、暗く、あまりに怪しい入り口へ足を運び入れる。

そこはまさに30年前の日本だった。
暗い店内に鳴り響く摩訶不思議なBGM、少し色褪せたミラーボール、若干かび臭い部屋、ミニスカの女性達−。
火曜サスペンスで見た、あの本物のキャバレーがそこにあった。

そして、男達を癒す極上のビーナス達がやって来た。

ん?
人間か?
確かに手足はある。
しかしこの顔、どこかで。。。
縁日だ!縁日で見たことあるぞ!
確か金魚じゃなくて、黒くて目の大きい、、、
デメキンだ!
デメキンじゃん!
デメキン出てきちゃった!

固まる3馬鹿トリオ。
どうぞ、どうぞとそれぞれ自分から一番遠い席への着席を促し、そして純次の隣へと陣取る。
彼の40分2000円一本勝負は、この時点で終わった。
ここからは小生も本当にテンションがダダ下がりで、意識が朦朧とすらしていたので、点描していきたい。

デメキン「お兄さん、見たことあるぅ」
小生「は?」
デメキン「うそ、前来たことあるでしょ?私知ってるんだから」
小生「は?」
会話終了。

デメキン「ねぇ、ダンスしよう、ダンス」
純次と小生「T行け!Tうまいんだよ。タップダンスとヒップホップとロボットダンス界の貴公子なんだよ!」
T「え!?行っちゃう?」
二人でチークダンスをしてくる。
デメキン「このお兄さんダメ、ステップ知らない。全然ダメ。」
ひたすらダメ出しを食らったTに謝々。

こんなに長い40分は初めてだった。
見渡す限り本当に凄まじいとしか形容しようのない状況がそこかしこで勃発していて、言うのも憚られる。
ちなみにその店のDJは、自分のマイクパフォーマンスに自分で笑い、「ぶふぉ!ぐわぁはぁ!」など息も絶え絶えに唄ってくれる、最高に面白くていいやつだった。

ありがとう、キャバレー。(そしてNo. 96 純)
もう一生行きません。
でも、一生忘れません。


景気付けに行ったキャバレーで男3人リアルにテンションが下がってしまい、相当な不安を抱えつつ当日のメインイベント、純次がセットアップしといてくれた戦へと向かう。
そして、デメキンの悪夢醒めやらぬまま、信じたくない光景が繰り広げられる。

信号の向こうで手を振る女性。
その隣に控えるは、あれは。。。
メ、メダカ?
ブルーのカーディガンは水をイメージさせ、その特徴あり過ぎるお顔をより鮮明に際立たせている。
いまだキャバレーの悪夢を引きずる我々は、無言のまま店内へと重い足取りで向かう。

さらに、3対3という飲み会で、真ん中に陣取られる。
酒もなかなか来ず、明らかにテンションが下がっている純次。
しかし乾杯と同時に、きっちりテンションをもって行くのはあまりに露骨すぎて素敵の一言だ。
その後も純次は露骨にメダカちゃん以外の2人に会話を振り続ける仕事人っぷりを発揮し、何だかんだで相当盛り上がる。
そして驚きの瞬間が訪れた。
それは戦の終盤、各人が今どのような仕事をしているか、という話題になったときである。
今まで場の潤滑油的存在だったTが、それまでの純次と小生の努力と存在感を根こそぎ持っていってしまう。

「俺、将来映画監督になるんだ。」

女性陣の目が、態度が、身を乗り出してオッパイがテーブルの上に乗る割合が、圧倒的に変わる。
どんな映画か、どれくらいその業界でやっているのかなど、本当はどうでもいいことを義理で聞いた後、本音が出る。
「私を出して。」

あまりの持っていかれっぷりに相当びっくりしていた負け犬二人組は、こいつはピンク映画の監督だの悪徳リフォーム業者の映画版だのボケてみるも、ほぼ完全に無視される。
ひたすら、「私を出して。」
あまりに露骨に欲望むき出しの彼女らに感服し、さぁ、2次会かと思いきや、やんごとなき理由で女性陣は解散。

面白かったが時刻はまだ12時前。
予定では明日帰るというのにこの時間に帰宅はさびしすぎる。
あーだこーだとミーティングを重ね、今でも我々3人全てが何故行ったんだか疑問に思っているのだが、おっぱいパブへ入店。

本日の惨劇最終幕は、ここで迎えることとなる。
たまたま店内を見渡せる席に着席した我々は、遠い向こう岸に凄まじくフィーバーしている女性を見つける。
(あれ、ひでーな。あんなの来たらまじブルーだな。引くな。ありえないわ。良かったな、俺達じゃなくて。)
あれひどいね、と誰かが他のおねーちゃんに言ったところ、その子も、「あのデカパン(パンツがでかかった)うちの店じゃないし、超やばいよね、あの子。」とのこと。
こんな言葉を散々交わしていた後、まさにその当人が純次と小生の隣に座るではないか!

T 女性 純次 デカパン 小生

という席次になり、純次はすかさずTの女性方面へばっくれる。
終わった。。。
もう、思い出すのも嫌である。
ショータイムでは汗だくのデカパンのリアを、フロントを顔に押し付けられ、本気で悶絶する小生。
隣で大爆笑純次。(純次はデカパンのリアだけ体験。)
Tはそんな俺達のことは露知らず、可愛い子相手にハフハフ。
自暴自棄でその場は何とか楽しむも、店を出た後は深刻にテンションが下がってしまった小生。

その後またまたあーだこーだミーティングし、クラブでナンパに大決定。
クラブの店の真ん前で、30分ほどのミーティングの末の入店意思決定にもかかわらず、Tのジーンズが破けてることがドレスコードにひっかかるとのことで、あえなく門前払い。

ちょっとめずらしいくらい何をやってもダメだった、予定では名古屋最後の夜は、こうして更けていくのであった。。。


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