「おす。久しぶり。
元気？元気なら飲み会しましょう。
善は急がないと一生後悔することになりそうなので明日はどう？」
唐突にメールを送る。
「絶対にくる。」
疑念を打ち消すように、強気に構える。
最も、そうそう暇人はいないであろうから、複数人に同内容のメールをする。
仮に希望日が無理だとしても、必ず向こうはやる気満々になり、その後は向こうから頻繁に場所や日時のメールが来ることをこの男は承知している。
そしてその読みが当たる。
今回は無理だが次回必ずやろうと。
基本的に女性は「待ち」の生き物。
こちらがきっかけさえ作ってやれば時には男性陣以上のモチベーションで来ることなんざよくあることだ。
例えば、その日は無理メールがきたら、こんな感じで返せばあたかも向こうが幹事かのような頻繁な連絡を取ってくる。
「人生で3指に入る衝撃を受けましたがどうやら私は元気一杯で××と飲みたい気持ちは最高潮のようです。
とりあえず我々は土曜日しか確実な日はないんだよね。
めちゃプライベートデイだけど実現したら嬉しさの余り神様に一晩中感謝し続けることは間違いありません。」
自分で書いてて信じられないくらいのアホっぷりであるがこんなテンションでこれだけのやる気を見せれば、大概の人間はなんだか気持ちが高ぶってやる気を引き出せるのである。
また、もしその日OKなら、とにかく嬉しくって仕方がない、感謝の気持ちに溢れてるメールを返し、さらに向こうのやる気を引き起こそう。
「まじで！？さんきゅ！会ったその瞬間コクっちゃうかもしれないから心の準備しとけよ。じゃ場所は俺達の永遠の青春の地四ツ谷だな。」
という風な感じである。まぁこのメールは基本的に自分にキレを感じないものであるが、嬉しさと感謝と楽しませるという雰囲気を伝えている点でぎりぎり及第点と言えるだろう。
さらに場所であるが、私の場合は四ツ谷の四ツ屋以外考えられないので、相手がその店を知ってる場合は必ず機先制してここ以外ないだろ、って空気を作るようにしている。
無論ここを知らない人には、世界一いい店だ、なり、最高の居酒屋知ってるから四ツ谷にしようなり、適当ぶっこいて納得させればいい。
仮に向こうからOKが出たら、その後は必要最低限の確認事項のみで、こちらから余計な連絡はとらないし、向こうがなんか言ってきてもあえてそっけなく対応する。
沈黙は金。
ここはグッとこらえて、むしろ向こうに「やる気あるのかな？」といった類の不安を感じさせるくらいでもいい。
するとさらに向こう＝その女性、ないし女性陣はこちら側に知らず知らずのうちに傾倒しているのである。
誘った当初はこちら側が下手であっても、早くも男性陣側の優位を築いている。
このやりとり一つを通してですら、こちら側＝男性陣が主導権を握る重要なファクターとなりうるのである。
さぁ、基本的なセッティングが整ったらあとは当日に向けて心身共に充実させるだけである。
ある金曜の合コンの為に、風邪を引きそう、というレベルの段階で体調を整えるために木曜は会社を休んでしまった程の男すら世の中にはいるのである。
無論彼が本番には大ブレイクして、圧勝を納めたことは言うまでもないであろう。
この段階では受験の時、あるいは重要な商談前の時以上に体調に気をつける必要があると断言したい。
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